宅地建物取扱士(宅建)とは?
宅地建物取扱士とは、不動産取引の専門家を示す資格です。
不動産取引の際の「重要事項の説明」や「契約書等への記名」などは、宅地建物取扱士にしか出来ない業務です。
また、宅地建物取引業を営もうとする場合、宅地建物取引業の免許を受ける必要がありますが、その免許を受けるには、専任の宅地建物取引士を置かなければいけません。
ここまでの説明では、不動産屋にならないと必要なさそうですが、建設会社や金融機関、不動産管理会社などでも、資格そのものや、不動産に関わる知識を必要とする業種は多く、幅広い方に有効な資格といえます。
受験資格は?
特にありません。国内に居住していれば、誰でも受けられます。
難易度・合格率は?
合格率は、例年約15~20%です。
難易度としては、国家資格のなかでは比較的高くはありません。
合格率だけみると一見結構低そうに見えますが、誰でも受験できることから、受験者数が毎年20万人程度と非常に多いです。
つまり合格者も毎年3万人以上います。
しっかり勉強して、しっかりとした対策をすれば合格できない資格ではありません。
役に立つ?
宅地建物取扱士は国家資格で、宅地建物取扱士にしかできない業務(独占業務)がある、不動産取引をするためにはなくてはならない存在です。
そのため、不動産関係の就職・転職・昇給には非常に有効な資格です。
また先にも書きましたが、不動産取引会社以外にも非常に有用な資格です。
例えば建設会社では自社が建てた建物を自社で取引するためには宅地建物取引業の免許が必要となり、免許を取るためには宅地建物取扱士の資格が必要となります。
また、金融業界でも、不動産を担保にローンを組む場合に不動産の知識を持っている宅地建物取扱士は重宝されます。
このように一見関係がなさそうな業種でも取得に対し昇給や手当などがある企業もあります。
どんな試験内容なの?
50問・四肢択一式のマークシート式試験で、試験時間は2時間です。
合格基準点は、相対評価方式の為、はっきりとした合格点は定められていませんが、例年の合格点は50点満点中35点前後(7割前後)です。
試験の内容は、「民法等」が14問、「宅建業法」が20問、「法令上の制限」が8問、「その他関連知識」が8問出題されます。
なお、試験の一部が免除される登録講習というものがありますが、こちらは宅地建物取引業に従事している方のみ受講できるもので、試験問題の5問免除になります。
どうやって勉強したらいいの?
独学での合格は、かなり大変ですが可能だと思います。
毎年多くの受験者がいる人気の資格ですので、書店でも数多くのテキストが販売されています。また、独学支援の通信講座なども多く存在します。
これらを利用し、しっかりとした勉強時間が確保できれば独学での合格も可能です。
かなり大変といった理由としては、まず出題範囲が広いことがあります。
法律の資格ですので、条文の数がそのまま出題範囲となります。
上記の試験内容に民法とありますが、1000条以上の条文があります。
当然丸暗記は非常に困難ですので、出題傾向などを研究して、効率よく勉強する必要があります。
また、過去問を見ていただければ分かりますが、法律の文章は普段目にすることのない独特の言い回しや難しい単語のオンパレードです。
法律の文章の内容を的確に正しく把握するためには、慣れやコツが必要となり、独学の場合かなり時間を要すると思います。
以上より独学は可能ですが、資格取得の近道としては、やはり資格学校や通信講座に頼る方が良いと思います。
申し込む方法は?
インターネット、もしくは郵送での、申し込みです。
試験は年1回(10月中旬)で、申し込みは7月上旬頃です。
こちらをご確認ください。
まとめ
- 宅地建物取扱士とは、不動産取引の専門家。
- 宅地建物取扱士にしかできない業務(独占業務)がある。
- 合格率は例年約15~20%で、国家資格のなかでは比較的取りやすい資格。
- 誰でも受験可能。
- 50問・四肢択一式のマークシート式試験。
- 独学での合格は、かなり大変だが不可能ではない。
- 就職・転職・昇給には非常に有効。
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