建築CAD検定試験

建築CAD検定試験

建築CAD検定試験とは?

建築図面をCADソフトを使用し、製図またはトレースを行う試験です。

使用するCADソフトは汎用CADソフトであればよく、これという決まりはありません。

汎用CADソフトとは、図面の自動生成機能を持たないCADソフトを指し、AutoCAD、AutoCAD LT、Jw_cad for Windows、Vector Works、DRA-CADなどがあります。

一般的には無料で使えるJw_cadを使用する受験者が多いようですね。

どんな種類があるの?

等級は准1級・2級・3級・4級で構成されています。 ※1級はありません。

4級は高校生のみが対象で、級が上がるごとに難易度が上がります。

受験資格は?

特にありません。どの級から受けても良いので、自分の実力にあった等級を受けることが出来ます。

なお、4級に関しては高校生のみ対象となっており、一般の方は3級から上を選ぶことになります。

3級および4級は参考図をトレースする試験ですので、CADを初めて使う方や、操作に自信がない方はこちらから順に受験するとよいと思います。

2級から上では、建築図面を読み解く能力も問われますので、CADの操作方法だけではなく、建築製図の知識も必要となってきます。

難易度・合格率は?

近年の合格率は以下のようになっています。

年度 \ 級准1級2級3級4級
2021年度14.1%60.3%61.5%93.3%
2020年度2.0%67.7%64.8%92.5%
2019年度24.5%58.6%71.7%89.8%

准1級を除けば、それほど低い合格率ではなく、きちんと対策をすれば、合格はそれほど難しいものではなさそうです。独学でも十分対応可能でしょう。

役に立つ?

これはあくまで私の主観になりますが。

この資格を持っていることで、就職や昇給、転職で有利に働くことは、まずないと思います。

建築業や製造業で今現在手書きの図面に出会うことはほぼなく、図面はCADソフトを使用して描くことが当たり前になっています。

以前はCADを使える人材は貴重でした。CADソフトも非常に高額で、手軽に習得できるものではなく、CADを使えるだけで重宝されていました。

現在では、無料で使用できるCADもあり、建築業で仕事をするにあたり、CADを使えるのは当たり前になっています。

ですが、全くの無意味というわけではありません。

漠然とCADを覚えようと思い、CADのコマンドを一つずつ覚えようとしてもなかなか難しいものがあります。

描きたい図面があり、それを描くために必要なコマンドを覚える。といった方法がCADを覚える近道です。

そのため、資格を取ることが目的ではなく、資格習得を通じてCADを使えるようになる。せっかく勉強してるんだから資格も取ってしまえ、という気持ちで受験してみるのはいかがでしょうか。

どんな試験内容なの?

試験は、実際にCADを使用し図面を作図します。作図内容は各等級によって様々です。

それぞれ合格基準も異なりますが、求められているものは、図面を正確に限られた時間内に描き切る能力という点です。

准1級 (試験時間:4時間10分)(合否判断基準:4図面すべて完成の場合を合格とする)
課題として与えられた建築図面を、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行います。
下記の例のように、建築一般図を4面作成する試験です。
<例>

・配置図、1階平面図、外構(S=1/200)  

・2階平面図(S=1/200)

・基準階平面図(S=1/200)  

・断面図(S=1/200)   など

2級 (試験時間:5時間)(合否判断基準:250点満点中 190点~200点を目安とする)
下記の例のように、建築一般図を2面作成する試験です。
<例>
・設計者の描いたラフスケッチ(平面図)(S=1/100)をもとに平面詳細図(S=1/50)を完成させる
・平面図、断面図、屋根伏図、透視図(S=1/100)をもとに立面図(S=1/50)を完成させる  など

3級 (試験時間:2時間)(合否判断基準:200点満点中 140点~150点を目安とする)
建築図面のトレースを行います。
下記の例のような建築図面の参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成します。問題数は4題です。
<例>
・階段平面図 (S=1/30)
・通り芯・寸法・通り芯記号 (S=1/100)
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)      など

4級 (試験時間:2時間) (合否判断基準:200点満点中 130点~140点を目安とする)
   ※4級は高校による団体受験のみ実施

建築図面のトレースを行います。
下記の例のような建築図面の参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成します。問題数は3題です。

<例>
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・通り芯・寸法・通り芯記号(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)      など

どうやって勉強したらいいの?

CADは作図をするための道具です。道具は使わなければ使えるようにはなりません。

まずはCADを自在に操れるようになる必要がありますが、闇雲にいじっているだけではなかなか覚えることは難しいです。

まずは過去の問題を描いてみることがよいですね。スピードや細かい部分は後で詰めていけばいいと思います。

建築CAD検定試験の過去問は、運営団体のホームページにて購入することが出来ます。

全国建築CAD連盟【AACL】

高校等の団体に所属している場合は、そちらで入手してみてください。

申し込む方法は?

全国建築CAD連盟【AACL】

こちらからインターネットでの申し込みとなります。

申し込みには団体受験と一般受験がありますので、自分の所属している団体での受験の場合はそちらの指示に従ってください。

受験料や受験会場などの詳細も運営団体のホームページを参照してください。

まとめ

  • 建築CAD検定試験は、CADソフトを使っての作図を行う検定。
  • 受験資格はなく、誰でも受けられる。
  • 資格としての価値はそれほど高くはないが、CAD操作を覚えるにはうってつけ。
  • 合格率も高めで、難易度はそれほど高くない。独学でも十分対応可能。

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